企業看護師(産業保健師)が人気の理由
近年、看護師や保健師の資格を活かして企業に転職する方が増えています。
この企業看護師(産業保健師)の仕事が人気を集める背景には、深刻化する看護師不足の影響が考えられます。現在日本では全国的に病院・診療所で働く看護師の数が不足しています。なかでも都市部の状況は深刻で、人員が不足した職場では看護師一人あたりの負担が大きいため離職率が高まり、さらなる看護師不足に拍車がかかってしまうという悪循環が生まれてしまっています。
そういった病院で働きながらも激務と実際の収入が割りに合わないと感じている看護師さんにとって、穏やかな労働環境や高い収入の企業看護師の仕事が理想の転職先として人気を集めているのです。
企業で働く看護師(保健師)のメリット
看護師(保健師)の資格を活かして働くことができる企業の職場としてもっとも一般的なのは、企業内医務室・健康管理室の仕事です。また、あまり知られていませんが、治験関連企業で働く治験コーディネーター(CRC)や臨床開発モニター(CRA)の仕事もあります。
どの職場も基本的に少ない人員で構成されていて、病院の激務に比べるとても穏やかな労働環境です。また、平日は日勤帯のみの勤務で土日は休みという企業が多いのも魅力です。
そして、気になる収入面はというと、これは勤務先や経験で大きく異なります。企業内医務室勤務の場合は、一般社員としての扱いになるので企業ごと平均給与に準じますし、治験関連企業の場合は経験によって収入に大きな差があります。
しかし、看護師や保健師の資格を持っているということでとても優遇されますし、なにより企業は年度ごとの昇給制度がしっかりしてるので、働きや技術に見合った昇給を期待することができます。看護師の平均年収が約470万円、企業で働く看護師の平均年収は約500万円なので、収入として大きな開きはありませんが、長い目で見ると企業の柔軟性のある昇給制度のほうが看護師さんにとって魅力的かもしれません。
そして、そういった収入面のキャリアアップを実現させるためには、やる気や仕事に対する姿勢はもちろん大切ですが、自分に合った職場、自分の今までの経験や持っている技術を伸ばしていくことができる職場を選ぶことがとても大切なポイントになってくるのです。
看護師・保健師専門の転職支援サービスを利用して企業への転職活動を行う際は、そういった点にも注目してコンサルタントと相談しながら理想の企業を探して行きましょう。